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2019/01/01 キャラクターデザインの思い出

投稿者: 小林智美 カテゴリー: お仕事 
謹賀新年です。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
昨年、ファンメールをいただいたのですが、諸々事情があり
返信できず申し訳ございませんでした。
機会がございましたらブログの方でお話できればと…。
ペコリ。

ロマンシングサガ リ・ユニバースが大好評だと伺い、大変ありがたく嬉しく思います。(^^

今日はロマサガ3のキャラデザインについて、語りたいと思います。
長いかも…。
主人公ユリアンから。その名前の柔らかなひびきから、ちょっと弟くん的な
ビジュアルになりました。エレンがユリアンに話しかけている会話を
攻略本で知り、エレンの方がきっと年上だなあ…と思ったものです。
トーマスはリーダーっぽいのかしらと感じ、あにき的なイケメン。
絵に情報量とキャラ性を与えるために、所持品を描き入れるのですが、
トーマスはなぜかムチ。歴代のサガシリーズでムチ持っているの
トーマスだけ?w
少しサ〇っぽいところがあったりして…と
クスクス笑いながら絵を製作していました。
ああ。昔のことなんですけれど何だかだんだん思いだしてきました。
サラの頭上ではじけているお花やリボンは、カラーインクの瓶から
原液をそのままスポイトのガラスの先を使い描いたものです。
植物が好きな少女のイメージで、かわいくまとめました。
同じ技法でユリアンの襟元スカーフの模様をかきいれています。
カタリナのイラストは何点かありますが、このとき
華やかなドレス姿の女の子がむしょうに描きたかったんですね。
ラフで済ませないで、みなカラーで仕上げているので、よっぽど
ドレスが描きたかったのでしょう。
同じ理由でモニカ姫のドレス姿もあります。
女子(私は…かな?)はお姫様が好きなんです。
旅装は行動しやすい軽装ですが、宮廷ではどんな衣装を
着ているのかしら?…と妄想しながらお仕事するのが楽しかったのです。
ミカエルは優雅な美丈夫を目指しました。
今見ると若干細めなのは、ロマサガ3の絵を描く前年に
読売新聞日曜版で1年間、江戸時代のエッセイイラストを
日本人をたくさん描いていたので、体型空気感が名残をとどめているのでは
ないかと思われます。デフォルメ具合がいい感じ。
キャラデザをする際にどんな衣装を着ているのか
わかりやすいように、こちら向きの絵を描くことが多いのですが、
やはりバリエーションを…と(忙しかったはずなのに
自分で仕事をふやしていました…(笑))
ミカエルは基本の立ち姿は武装したものですが
宮廷でのイラストは、トーガをまとい、トップスが甲冑ふう。
エレガントに。
見返り美人ふうポーズをとっているのが、エレンとハリードです。
ハリードは無意識に出来上がったビジュアルですが、
勇ましいポーズと表情で力強く描けていて
絵を会社に届けにでかけて開発室で広げたら
「おお!」と感嘆してくださったので嬉しかったです。
ハリードのようなタイプのお兄さんは力強さをこめようとして
描いていると自然と筆圧が上がり肩がこっちゃうのですw
クロッキー帳の用紙に鉛筆などの跡が、次のページまでありありと残る(笑)
自分の身体力んでるのがわかります(笑)
ゆえにシャープペンシルの芯が折れる(汗)ので
フェイス以外の身体の線をひくときは
製図用の芯の太いシャープペンを利用することがあります。
絵描き仕事は文科系にかんじるかもしれませんが
実は、力しごと。肉体労働ですw(私の場合…?)
カタリナとエレンの衣装が少しレオタード風なのは
当時、すごくインパクトのあるタイツふうの衣装をみまして
何か、そちらをアレンジしたデザインにしたいなあと。
ツィー・リンの衣装は平安時代の十二単からインスパイアされたものです。
コートのスソの方など、数色で着彩しているあたり
気が付きましたか?
やはり衣装をデザインするのは、とても楽しかった。
キャラデザインはポーズのバリエーションを多彩にするために
頭の中で人物のポーズをぐるぐる回してましたw

またお話できればと思います。



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